

分娩後に便失禁が続いたり、膣から便臭がしたりしませんか?
出産直後〜1ヶ月程度は、大きな児頭が通った影響で、肛門周囲の神経がダメージをうけ、便意や尿意、肛門周囲の感覚が鈍くなることが多いと思います。
しかし、1ヶ月経過してもなお、肛門を閉めることが難しかったり、便失禁をしてしまったりする場合は、肛門を締める括約筋が分娩時に損傷してしまっている可能性があります。
これを分娩時肛門括約筋損傷とよび、経膣分娩の約1.4〜6.5%に起き、さらにそのうちの約1%未満の方に、肛門括約筋不全や直腸膣ろうが起きます。
稀な疾患のため、症状を言えずに放置してしまったり、産科なのか肛門科なのかわからなかったり、扱う専門施設が少ないため適切な専門病院に受診できなかったりすることがあります。
早期治療が原則ですが、第一子出産で多い疾患でもあり、初めての出産で、出産後の異常を“当然のもの”と考えてしまったり、初めての子育てに追われたりすることが理由で適切な時期に専門病院を受診できないことも多いと考えられます。
<肛門括約筋不全>
症状 | 便失禁やガス失禁が続くことで、日常生活に支障をきたします。 |
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<直腸膣ろう>
症状 | 膣から便臭がする、便やガスが漏れる、悪露から便臭がすることがあります。 |
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括約筋損傷が原因による肛門括約筋不全や直腸膣ろうに関しては、会陰体形成術を行い、症状の改善を目指しています。
一方で、機能性括約筋不全、神経伝達による括約筋不全の場合、仙骨にペースメーカーのようなものを埋め込む仙骨神経刺激療法の適応となります。当院では行っていないため、手術できる専門施設をご紹介します。
会陰体形成術の特徴
症状がある場合、早めに当院専門外来にご相談ください。当院では丁寧な診察と治療で、患者様に寄り添います。
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昭和大学
江東豊洲病院 消化器センター
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