2025年5月28日〜30日、イタリア・ローマで開催された「Endolive Roma 2025」に、当センターの井上晴洋教授がファカルティとして招聘されました。本コースは、カトリック大学(Università Cattolica del Sacro Cuore)およびGemelli病院グループ主催による、欧州最大級の内視鏡ライブデモンストレーション形式の国際学術イベントです。
今年は約600名の医師、51名のファカルティ、40例以上のライブ症例に加え、136名の企業代表者および32社のパートナー企業が参加し、診療技術・研究成果・産業技術の最前線が共有されました。
初日・2日目はカトリック大学ローマキャンパス構内にて開催され、胃食道逆流症(GERD)にフォーカスしたセッションでは、診断から内視鏡・外科的治療まで幅広く議論されました。井上教授は“Endoscopic therapies with mucosal ablation”の演題で登壇し、当センター発のARMI(Anti-Reflux Intervention)を紹介。加えてPOEM、ARMP、胃のESDの3件のライブデモンストレーションを担当し、世界中の参加者に日本の高度な低侵襲内視鏡技術を発信しました。
最終日はローマ旧市街・ティベリーナ島のIsola Tiberina Hospital – Gemelli Isolaにてライブセッションが行われました。歴史的建造物を改修した同院には古代ローマ遺跡やフレスコ画が残されており、まさに“ローマらしい”空間でした。またコース創設者であるGuido Costamagna教授の案内で院内を見学する機会にも恵まれました。
また、本コースには自治医科大学の山本博徳教授もファカルティとして参加され、バレット食道癌に対する全周ESD、回盲部のESD、Peutz-Jeghers症候群(PJS)の小腸ポリープに対する内視鏡治療を実演されました。いずれも技術的に難度の高い手技であり、多くの参加者がその手技と治療戦略に高い関心を寄せていました。
また、わずかな自由時間を活用してローマの象徴であるコロッセオやトレビの泉を訪問し、医学のみならず歴史や文化にも触れる充実した体験となりました。
当センターでは今後も、国際的な学術交流と最先端内視鏡医療の発信を通じて、質の高い診療とグローバルな貢献に努めてまいります。
(消化器センター 田邊万葉)