昭和大学 江東豊洲病院 消化器センター

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対象疾患|緩和ケア

緩和ケアというとどんなイメージがあるでしょうか。

  • 死ぬための、死ぬまでいる場所
  • もう終わり、看取りだけする場所
  • 絶望の場所
  • 入院したら家には帰れない
  • 苦しみ続ける場所

など暗いイメージが浮かぶかもしれません。
本当にそうでしょうか?

世界保健機構(WHO)は緩和ケアの定義を以下のように定めています。

緩和ケアとは、生命を脅かす病に関連する問題に直面している患者とその家族の痛み、その他の身体的、社会的、スピリチュアル的な問題を早期に同定し、適切に評価し対応することを通して、苦痛(suffering)を予防し緩和することにより、患者と家族のQOL(Quality of Life)を改善する取り組みである

言い換えると

がんなどの患者と家族に対し身体的・精神的・社会的・スピリチュアルな痛みを和らげ、最期の瞬間まで本人らしく尊厳を持って過ごせるよう支援すること

となります。

がんの4つの痛み

がんに罹患すると、多くの苦悩に直面することとなります。これらは4つの痛みに分類されます。

1:身体的苦痛(Physical Pain)

⇒体が痛い、苦しい

2:精神的苦痛(Psychological Pain)

⇒気分が暗くなる、抑うつになる

3:社会的苦痛(Social Pain)

⇒家族の役割・仕事など社会的役割を失う恐怖や痛み

4:スピリチュアルペイン(Spiritual Pain)

⇒「なんで自分ががんに…」「早く死にたい…」
「何のために生まれてきたのだろう…」

患者が遭遇し葛藤するあらゆることが苦痛の原因となる

4つの痛みを総称して全人的苦痛(Total Pain)と言います。

早期からの緩和ケア

これまでの医療では緩和ケアがあまり重要視されていないのが現実でした。患者さんの治療苦痛を取り除くことに無頓着だった訳ではなく、緩和医療が専門性の求められる分野だったからです。がん治療が終了した時点で緩和ケアへ移行することが一般的な流れでした。しかし、現在ではそうした流れが見直され、がん治療と並行した緩和医療の実施が理想とされるようになりました。

そこで、緩和ケアを多くの医師に普及するために厚生労働省ではがん等の診療に携わる医師等に対する緩和ケア研修会を実施することで多くの医師に緩和ケアの重要性と技術を周知することとしました。
現在の考え方は、診断時など治療初期からの緩和ケア導入が求められるようになりました。

がん終末期患者の主な症状

  • 疼痛
  • 呼吸困難
  • がん関連倦怠感、食欲不振、悪液質
  • 悪心・嘔吐
  • 便秘
  • 不眠・睡眠障害
  • 不安・抑うつ
  • せん妄
  • 高カルシウム血症 など多数…

緩和ケアチーム

当院では2019年4月より緩和ケアチームが発足しました。チームは日本緩和医療学会緩和医療認定医1名、日本緩和医療薬学会緩和薬物療法認定薬剤師2名、緩和ケア認定看護師2名で活動しております。
治療科医師や医療スタッフからチーム介入依頼があれば対応しております。また、消化器センターでは、多くの医師が厚生労働省の定める緩和ケア研修(※)を修了しており、患者さんの痛み、苦しさ、意識の混乱などの苦痛を取り除くべく診療に当たっています。しかし、がんの部位や転移などの状況によっては苦痛緩和に難渋することも多く、その際は疼痛緩和の専門チーム、すなわち緩和ケアチームが介入することとなります。
当院には専門の緩和ケア病棟はありませんので、入院での緩和ケアをご希望される方にはホスピス緩和ケア病棟への受診・転院の調整を行っております。
緩和ケア外来については、各治療科医師からの依頼を受ける形で行っております。治療科の外来と緩和ケア外来へ並行して通って頂きます。

※がん等の診療に携わる医師等に対する緩和ケア研修会

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