昭和大学 江東豊洲病院 消化器センター

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対象疾患|胃

胃の病気

当消化器センターでは、多くの胃の病気に対し、各種治療を行っております。内科医と外科医が一つのチームとなり、正確な診断から内視鏡的治療、小さな創で行う腹腔鏡下手術、開腹手術まで行っております。また、悪性腫瘍に対してはご病状により、当院腫瘍内科医および放射線治療医ともチームを組み、術前・術後の化学療法や放射線治療も行います。
治療・ご病状のご相談は、専門外来(火曜日:井上晴洋教授外来/鬼丸学医師外来、木曜日:伊藤寛晃医師外来)にてお気軽にご相談下さい。

ご予約につきましては、病院予約センター(03-6204-6489)までご連絡下さい。

1)胃がんの治療

はじめに

胃がんのうち約7割は早期といわれており、適切な治療を受ければ治る可能性が高いがんです。早い段階で発見できれば身体に傷をつけずに胃カメラでがんを取り除く治療(内視鏡治療)で治癒が可能ですし、もし手術が必要となりましてもより身体への負担が少ない腹腔鏡手術、縮小手術などの身体に負担の少ない手術(低侵襲手術)が可能です。進行した病状であれば、薬をつかってがんを治療する方法(化学療法)を手術前や手術後に組み合わせて、手術でがんを取り除く治療をおこないます。
治療法の選択には主に内視鏡検査とCT検査が必要となります。内視鏡で胃のどの部分にがんが存在しているか(局在診断)、胃の壁のどこまで深くがんが入り込んでいるか(深達度診断)を精査します。がんは下図のように粘膜から発生し大きくなるとともに胃の壁に深く入り込んでいきます。CT検査で胃の外壁、周囲のリンパ節、さらにはその他の臓器にがんが拡がっているかを診断します。

これらの検査によりがんの大きさと浸潤(T因子)、リンパ節転移(N因子)、他臓器への転移(M因子)の3つの因子を評価し、総合的に組み合わせて進行度を判断します。当消化器センターでは、日本胃癌学会の「胃癌治療ガイドライン」に基づき、各々の患者さまのご病状、ご年齢、併存症などを考慮して、治療法をご提案しております(図1、2)。

図2 出典:胃癌治療ガイドライン医師用2018年1月改訂第5版より

【胃がんの内視鏡治療】

内視鏡診療では、世界的に最も普及した治療法の一つである『透明キャップによる内視鏡的粘膜切除術(EMR-C法)』1)2) を開発した井上晴洋センター長(日本消化器内視鏡学会理事長) 以下、熟練したスタッフが、診断・治療にあたります。内視鏡的粘膜切除術(EMR)、内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)などの治療に加えて常に最新のエビデンスに基づいて、新しく高品質な低侵襲治療を提供しています。

内視鏡的粘膜切除術(EMR)

内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)

早期胃癌に対するESDの一例

内視鏡治療(EMRやESD)は、適応となる病変が定められていますが、近年その治療の適応が拡大され一層内視鏡治療の可能性は高まっています。

出典:胃癌に対するESD/EMRガイドラインより

従来は外科手術で行われていた分野にも内視鏡手術への可能性は日々広がっております。当センターでは国際的な内視鏡ライブをはじめ、様々な研究会を主催し内視鏡治療のさらなる発展・普及に努めており、新しい内視鏡治療の発信施設として世界的に注目されています。

【胃がんの手術治療】

我々の施設では、内視鏡治療(前述のEMRやESD)を第一選択としていますが、胃がんはある程度進行すると、内視鏡的治療では治療できず、手術が必要になります。
手術が必要となった胃がんに対しては、可能なかぎり腹腔鏡による手術を選択しています。また、がんの治療に影響がなければ、胃をできる限り温存する術式(幽門側胃切除や噴門側胃切除、胃局所切除など)を選択しています。当消化器センターでは、常に内視鏡医と外科医が一緒に診療をする体制ですので、治療前に内科医と合同でより詳しい内視鏡検査(拡大内視鏡)などを行い、切除範囲を厳密に選定するための検査を重点的に行っております。少しでも胃を残せるように努めております。
一部の進行胃がんを除いたほとんどの胃がん手術を腹腔鏡下手術で行っております。腹腔鏡手術のメリットは、①患者さんの身体の負担が少ない、②体表に傷がつかない、などです。腹腔鏡下手術は、小さな創から腹腔内を観察するカメラ(腹腔鏡)をお腹の中に挿入し、さらに手術操作を行うための鉗子という器具を小さな創から挿入して、術者と助手がモニターを見ながら操作をすすめる手術のことです。

腹腔鏡下胃切除術 術後1年

胃切除後は、患者様の食生活の変化や体重減少、体調の変化に対して、退院後も胃癌術後の定期観察とともに、サポートをして参ります。当センターは、胃外科・術後障害研究会の「胃切除後障害対応施設」となっています。下記のアドレスにアクセスいただければ患者さん向けの小冊子が閲覧可能となっています。

詳細はこちら

2)胃粘膜下腫瘍(消化管間葉系腫瘍GISTを含む)

胃粘膜下腫瘍とは、胃の粘膜より深い層に発生する腫瘍のことで、胃癌やポリープなどの粘膜から発生する腫瘍とは異なります。多くは無症状で、しばしば検診で発見されます。粘膜下腫瘍の大部分は良性腫瘍ですが、ときに肝臓や腹膜に転移を来すような悪性腫瘍であることもあります。

一般的に、胃粘膜下腫瘍(SMT)は、腫瘍の大きさが、2cm以上で精密検査、さらに治療(手術)が必要になる可能性があります。この他、既に他の臓器に転移をきたしている場合や、手術後の病理検査で再発が危惧される場合には、分子標的治療薬(イマチニブなど)による治療が考慮されます。また、2cm未満であっても病理組織診断で消化管間葉系腫瘍(GIST)と診断されたもの、もしくは腫瘍に変化がみられる場合も精密検査・治療が推奨されます。

GIST 診療ガイドラインより

当消化器センターの最先端治療《POET とCLEAN-NET》

井上晴洋センター長・教授が開発した当院独自の内視鏡治療である経口内視鏡的腫瘍核出術(POET)、内視鏡と腹腔鏡をもちいたコラボレーション手術である腹腔鏡内視鏡合同手術であるCLEAN-NET法など症例に合わせて最先端で最善の治療を行なっております。

POET[内視鏡的粘膜下腫瘍摘出術]

主に、胃の入り口(噴門)に発生した胃粘膜下腫瘍に対し行っている胃カメラ(口からの内視鏡)で行う治療法です。前述の食道粘膜下腫瘍に対する治療としても行っている方法であり、内視鏡下で粘膜下層にトンネルを作成して腫瘍を摘出する内視鏡的粘膜下腫瘍摘出術です。治療方法の詳細につきましては、「食道粘膜下腫瘍」の項をご参照ください。

CLEAN-NET

CLEAN-NET(combination of laparoscopic and endoscopic approaches to neoplasia with non-exposure technique)とは、内視鏡と腹腔鏡手術の組み合わせて行うハイブリッド手術であり、胃の腫瘍を含めた胃の一部を部分的に切除する方法です。内視鏡と腹腔鏡という二つのカメラを使って手術をすることで、切除する胃をできるだけ最小限にとどめることができます。したがって、過不足なく治療ができることから、①確実に腫瘍を取り除く、②胃を最大限に温存することができる、③術後の障害を最小限にすることができる、という大きなメリットがあります。胃粘膜下腫瘍や早期胃癌のち高度瘢痕症例(潰瘍などの傷があり内視鏡治療が難しいもの)、あるいは通常の胃がん手術(胃全摘など)では体力的に耐えられない患者さんへの姑息的手術(出血のコントロールや食事がとれるようにする手術)などに対し行っております。特に、胃の内腔に突出した胃粘膜下腫瘍に対しCLEAN-NETは良い適応と考えております。

A. 全身麻酔下に、手術中に口からの内視鏡を胃内に挿入し、腫瘍の周りの切除予定範囲に印をつけます。

B. 口からの内視鏡で胃内を見ながら、胃の外から腹腔鏡手術を進めます。

C,D. 口からの内視鏡と腹腔鏡手技を進め、胃の外側から腫瘍の周りの切除予定線に沿って、胃壁の一部を切開し、腫瘍とともに胃壁外(腹腔内)に持ち上げます。

E. もち上がった腫瘍と胃壁の一部に自動的に組織を縫いながらつなぎ合わす機械(自動縫合器)を使ってこの部のみ切除します。

患者のみなさまへ

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