昭和大学 江東豊洲病院 消化器センター

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対象疾患|肝臓

肝臓疾患

受診する患者さんへ

昭和大学江東豊洲病院での肝臓疾患は、日本肝臓学会指導医2名、専門医4名を含む内科チームと肝胆膵外科学会高度技能指導医1名を含む外科チームとタッグを組んで患者さんにベストな医療を提供します。
健康診断や定期健診などで肝機能検査異常を指摘された際は、原因を調べる必要があります。当センターでは、まず問診・診察を行い、なるべく少ない検査で状態を見極めるよう心掛けています。
その上で、特別な異常値や画像検査の異常が見つかってしまった場合は、説明の上、精密検査を勧めていきます。
可能であれば紹介状、健診結果などをお持ちいただけると、重複する検査を防ぐことができます。診療がスムーズになりますので受診の際お持ちください。
まずは、気になることがありましたら、我々にご相談ください!!

肝臓について少し勉強してみませんか?

肝臓が体のどこにあるかご存知ですか?

右の肋骨に守られるようにして、右側のお腹の上部に位置します。通常、左右2つあります。大人の肝臓は体重の約1/50であり、重さはおよそ1〜1.5kgです。

この肝臓は、日常生活を送るうえで身体のためにたくさん働いてくれています。

この肝臓が、障害を受けたらどうなるでしょうか?幸い肝臓は、人体のなかでも大きな臓器の方であり、そう簡単にダメにはなりません。しかし、長い期間肝臓にストレスを与えるような状況にいると、肝臓はゆっくり弱っていきます。そのサインが、血液検査です。異常値を指摘されたら必ず肝臓専門医の受診をお勧めします。

【対象疾患】

肝臓疾患は大きく分けて4つの疾患があります。

この肝臓は、日常生活を送るうえで身体のためにたくさん働いてくれています。

それぞれの疾患について詳細に説明します。

※気になる疾患を押してください、各疾患詳細にジャンプします

(1)急性肝炎・急性肝機能障害(ウイルス性、薬物性、アルコールなど)

【急性肝炎の原因】

急性肝炎とは、主に肝炎ウィルスの感染が原因でおきる急性の肝機能障害を呈する病気です。薬剤性やアルコール性でも原因となります。
今までに肝炎ウィルスとしては、A、B、C、D、E型の5種類が確認されています。他のウィルスとして、EBウィルス、サイトメガロウィルスなども日常診療でよくみかけます。

【急性肝炎の症状】

症状としては、黄疸、食欲不振、嘔気嘔吐、全身倦怠感、 発熱などがあります。

急性肝炎は一般的には経過が良好な疾患ですが、約1-2%の患者は劇症化し、一度劇症化すると高率に死に至る可能性が高くなり、肝臓移植治療が必要となることがあります。

そのため血液検査による適切な管理が必要です。
例として、A型急性肝炎の典型的パターンをお示しします。
通常、1カ月前後の経過で軽快します。

【急性肝炎の予後】

ほとんどが自然治癒します。
ただし、B型急性肝炎ではGenotype Aで慢性化する場合が多い。
C型急性肝炎は約70%が慢性化します。
そのため、抗ウィルス療法が必要な場合があります。

【急性肝炎の治療】

  • 安静(入院管理が基本)
  • 食事摂取ができなければ補液
  • 食事療法として急性期であれば高カロリー食(脂肪肝に注意する)

基本は自然治癒を待つ。

【流行地】

下図地域に旅行の際は気を付けてください。
※C・D型肝炎は血液感染が多いので割愛

※厚生労働省検疫所FORTHホームぺージより抜粋

(2)慢性肝炎・慢性肝機能障害(ウイルス性、自己免疫、糖尿病、代謝疾患など)

慢性肝炎は、どの疾患も肝臓専門医の通院が必要なものです。肝臓専門外来の受診をお勧めします。

【慢性肝炎の定義】

血液検査において、6ヶ月以上の肝機能検査値の異常が持続している病態をいいます。放置すれば、徐々に肝硬変へ進展していきます。

【慢性肝炎の原因】

※各疾患名を押すとPDFが開きます

【慢性肝炎の診断】

ほとんどの疾患で確定診断をするために経皮的肝生検が必要となります。

超音波で確認しながら、肝臓の一部を細い針で採取します。実際に肝臓に針が入っている時間は10秒ほどです。必要な検体は、イトミミズほどの少量のものであり、当院では1泊2日でおこなっています。

(3)肝硬変(腹水・浮腫/肝性脳症/門脈圧亢進症/食道・胃静脈瘤)

ここでは、肝硬変について説明します。

肝硬変

肝硬変とは、ウイルス性肝炎等による慢性的な炎症によってできた肝臓の傷を修復するときにできる線維組織が肝臓全体に拡がった状態のことです。原因は先述した、慢性肝炎・肝障害の原因全てです。

圧倒的にウィルス性肝炎が多いことがわかります。

肉眼的には肝臓が小さくなり、全体が凸凹して石のように硬くなります。肝生検の組織を顕微鏡で見ると肝臓の細胞が線維組織によって周囲を取り囲まれている様子が観察できます。

肝硬変には、

  • 代償性肝硬変(初期)
  • 非代償性肝硬変(中等症~重症)

があります。

代償性肝硬変は、一部傷んでいる肝臓があり、そこは機能が低下しているがまだ小範囲なため、傷んでいない元気な肝臓が代わりに(代償)頑張ってくれて症状がほとんどない状態、をいいます。慢性肝炎から緩徐に変化していくものなので、ほぼ無症状です。
一方、非代償性肝硬変は、傷んでいる肝臓の範囲が広いため、肝機能の低下が著しく様々な症状を合併します。
慢性肝炎→代償性肝硬変→非代償性肝硬変と変化するわけですが、非代償性にまで進行すると余命が大きく下がります。

では、どのように見分ければいいのでしょうか。
それが、肝予備能を症状と血液検査で判断するChild-Pugh分類です。
下に示した表を見てください、5つの項目で評価して、それぞれ加点する方法です。肝機能が最良で5点、最も悪いものが15点となります。
一般的にChild-Pugh スコアが7点以上(Grade B 以上)であると、非代償性と考えられています。

非代償性肝硬変は、肝臓の機能が著しく低下してしまうため、腹水や食道静脈瘤、肝性脳症や黄疸等の様々な合併症が発症します。

次に肝硬変の代表的な症状や合併症について説明します。

※各疾患名を押すとPDFが開きます

(4)肝癌(肝細胞癌、肝内胆管細胞癌、転移性肝癌など)

当消化器センターでは肝臓内科医と肝臓外科医が同一チームを構成し、患者さんにベストな治療法を提供できる体制をとっています。また、IVR治療を行う放射線科とも連携し、肝癌の治療ガイドラインを遵守し、かつ肝癌治療の根治性と患者への低侵襲性の両者を実現する治療を目指しております。

肝癌について肝腫瘍の鑑別から肝細胞癌の特徴とその治療について順番に説明します。

※各疾患名を押すとPDFが開きます

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